交通事故の被害者が絶対にやってはいけないこと
Column 交通事故の被害者が絶対にやってはいけないこと
私どもの事務所では日々多くの交通事故の相談を受けていますが、時々、相談者が間違った対応をしたために取り返しがつかなくなっているケースが見られます。今回は、交通事故の被害者が絶対にやってはいけない3つのことをお話しします。
必ず警察に届け出て
まず、警察への届け出は法律上の義務であり忘れてはいけません。警察に届け出をしないと交通事故証明書が発行してもらえず、交通事故があったこと自体が証明できなくなります。そうなると保険会社は保険金を一切払ってくれません。きちんと損害を賠償するから届け出をしないでほしいと加害者に頼まれたため警察に届け出をしなかったところ、加害者が全く損害賠償してくれなかったというケースがよくありますので気を付けてください。
安易に示談せず弁護士に相談を
次に、安易に示談してはいけません。加害者側の保険会社からは、適正な基準よりも安い賠償額が示されることが多いのですが、いったん示談してしまうと、示談を取り消したり無効にしたりすることは実際上ほぼ不可能です。示談にやり直しは効かないことを肝に銘じて、示談する前には必ず弁護士に相談するようにしましょう。
けがをして通院している場合、自分の判断で中断しないで
最後に、けがをして通院している場合、自分の判断で通院を中断してはいけません。忙しいから、医師と意見が合わないからといって全く通院しなかったり、長期間通院をさぼったりすると、後で「痛くないから通院しなかった」と見なされてしまい、慰謝料の金額が大幅に安くなったり、後遺障害が認められにくくなったりします。医師の指示にしたがって適切な頻度・期間で通院を続けることが大切ですが、どうしても医師と意見が合わなかったり、通院中なのに保険会社から治療費の支払いを打ち切られそうなときは、自分の判断で治療を中断するのではなく、交通事故に詳しい弁護士に相談して治療を続けるべきか、続けるためにはどうすればよいかを考えましょう。
(平成26年10月9日掲載)
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